円形脱毛症は、年齢や性別を問わず突然発症する脱毛症です。
かつては「ストレス」や「血行不良」が原因とされていましたが、近年の研究により、自分の免疫が誤って毛根を攻撃してしまう“自己免疫疾患”であることが判明しています😲!!ビックリ
この発見によって、従来の“気持ちの問題”や“一時的な抜け毛”という捉え方から、医学的な免疫制御の視点で治療を行う時代へと変化しています。
ストレスは「原因」ではなく「誘因」

ストレスが脱毛の原因だと感じる人も多いですが、伊藤先生によると、それは引き金の一つにすぎません。
根本には、遺伝的に自己免疫が起こりやすい体質が関係しています。
研究によると、円形脱毛症の患者の約9割が「HLA」と呼ばれる自己免疫関連遺伝子を持つことがわかっています。
ただし、遺伝子を持っているだけでは発症せず、ストレス・感染症・生活リズムの乱れなどが重なったときに発症しやすくなります。
円形脱毛症にはいくつかのタイプがある

タイプ | 特徴 |
---|---|
単発型 | 1か所に円形の脱毛が現れる |
多発型 | 2か所以上に脱毛が生じる |
蛇行型 | 後頭部〜側頭部に帯状に抜ける |
全頭型 | 頭髪すべてが抜け落ちる |
汎発型 | 頭髪だけでなく眉毛・まつ毛・体毛まで抜ける |
初期段階で治療を始めれば回復するケースも多いですが、全頭型・汎発型では長期治療が必要になることもあります。
発症のサイン:「チクチク」「ピリピリ」「ゴワゴワ」
円形脱毛症の急性期には、毛包周囲に炎症が起きており、次のような感覚が現れます。
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頭皮がピリピリ・チクチクする
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髪の根元がゴワゴワしている
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シャンプー時に引っかかるような違和感がある
この「違和感」がある時期こそ、最も治療効果が高いタイミング=急性期です。
放置せず、早めに皮膚科を受診することで、再生のチャンスを広げられます。
主な治療法とその特徴

● 局所免疫療法
皮膚に軽いかぶれを起こさせ、免疫のバランスを整える治療。
ガイドラインで標準治療とされ、週1回の通院を半年ほど行うケースが多いです。
● ステロイド局所注射
炎症が強い部位に直接注射する治療法。
1回あたり1,000円前後と比較的低コストで行えますが、広範囲の場合は複数回の注射が必要になります。
● ステロイドパルス療法(重症例)
急速に広がる脱毛に対して、点滴で全身的に炎症を抑える強力な治療。
3日間連続で行うことが多く、早期に効果が期待できる方法です。
● 紫外線療法(ナローバンドUVB)
炎症を鎮める効果を持つ治療法で、週1〜2回の照射を継続します。
副作用が少なく、長期的に行える安全性の高い療法です。
重症の円形脱毛症に「JAK阻害薬」という新しい飲み薬が登場

頭部全体の50%以上に脱毛があり、半年以上発毛がみられない重症の円形脱毛症に対して、2022年6月から「JAK阻害薬」という保険適用の飲み薬が登場しました。
この薬は、関節リウマチなど他の自己免疫疾患にも使われている治療薬で、免疫の暴走を止める働きを持ちます。
自己免疫反応を抑えることで毛根への攻撃を防ぎ、脱毛の進行を止め、発毛を促す効果が報告されています。
ただし、免疫を抑える作用があるため、帯状疱疹などの感染症リスクが上昇する可能性があり、悪性腫瘍などを併発している場合は使用できません。
それでも、これまで「治らない」とされていた重症例の患者にとっては、大きな希望となる治療法です。
保険適用とはいえ費用は高額で、1か月あたり数万円〜十数万円になることもありますが、公的助成制度の対象となる可能性もあるため、専門医への相談が推奨されます。
今後の治療研究と展望
現在、円形脱毛症の研究はさらに進化しています。
免疫反応のメカニズムが解明されるにつれ、「ターゲットを絞った治療=分子標的療法」が注目されています。
がん治療で使われる薬剤(例:PD-1阻害薬、TNF-α阻害薬、IL-17阻害薬など)の一部は、円形脱毛症にも応用可能とされ、今後5年以内に新たな治療薬が登場する見込みです✨
まとめ:早期発見・早期治療が鍵

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円形脱毛症は自己免疫による病気
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炎症が起きている「急性期」に治療を開始するのが最重要
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JAK阻害薬などの新しい治療が登場し、重症例にも希望が広がる
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ストレス・生活リズム・感染症予防を意識することが再発防止に
円形脱毛症は決して「もう治らない病気」ではありません!!
現代医療の進歩により、重症例でも回復の道が開かれています。
焦らず、正しい知識と希望を持って、自分の髪と向き合いましょう(^o^)丿✨
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